アルクプレスのkids com雑誌の“みんないっしょにBeGenKi!"ページの記事。
第9回 「冒険」には楽あれば苦あり
パソコンの日本語表記に洋服のサイズ……、ALTに悩みは尽きません!
今回はALTが日本滞在中に驚かされた文化の違いについて書いてほしいと言われています。そうですね、私たちは日本に来る前、「人前で鼻をかんではいけない」とか「家の中では靴を脱ぐ」といったことを教えられます。しかし実際に日本に来てみると、そんな知識では事足りず、毎日新しいことや予期しない出来事に出くわしています。
まず驚くのが洋服のサイズ。背の高い男性や多くの女性のALTは、自分に合ったサイズの洋服が見つけられずに困っています。特に地方では洋服は小さめのものしか見つけられず、欧米の人が着られる大きさのものはほとんどありません。ボーリング場に行っても、足の大きさに合う靴はまずないですね!そこで大都市へときどき買い物に出かけて、洋服をたくさん買い込みます。アジアに行ったときも洋服などを購入するいい機会となります。なぜって、体などではオーダーメイドのシルクのスーツが1万円くらいで作れたりするのですから。
日本語表記のコンピューターもALTが困る物のひとつです。国際電話はとてもコストが高いので、ALTにとってEメールは欠かせないツール。そこで日本の先生にお願いしたいのは、ALTにパソコンの「削除」の意味を教えてあげること。大切なファイルを削除してしまってからでは手遅れですから……。
ALTと日本人の先生との大きな違いのひとつは、日本の先生は6時から9時くらいに仕事を終えて家に帰ればリラックスできるということ。しかし、ALTの任務は言うなれば1日24時間続くのです。
「親善大使」として、ALTの仕事は休む暇なし!
もちろん、これは悪いことではありませんが、ときにストレスに感じることもあります。たとえばヨーロッパ出身のALTが故郷を旅行したとします。出会った人たちは皆、私を「彼らの仲間」として歓迎してくれるので快適に過ごすことができます。しかし日本では、たとえそのALTがパーフェクトな日本語を話して自然に振る舞ったとしても、人々はその人のことを「ちょっと変わった存在」として見るのです。
私たちは自分の母国の「親善大使」として礼儀正しく、にこやかに会話をするように務めます。たとえそれが、初対面の人とのたった30分の会話だったとしても、仕事で疲れてぐったりしていても、パンを買いにちょっと外出しただけだとしてもです。
もしALTなんて簡単な仕事だ、とか、1日たった数時間でとてもいい給料をもらってるとか思っていたとしたら、もっと広い視点からALTの仕事を見てください。
長い休みはALTには必要不可欠
日本の先生の多くは、なんでALTは休みが多いのかと不思議に感じているかもしれません。逆にALTにとっては、日本の先生はなんで休みも取らずに、あんなに一生懸命働くんだろう、と不思議に感じています。
ただそこには大きな違いがあります。日本の先生はひょっとしたら毎日、それが無理だとしても週末ごとに、自分の家や家族のもとに帰ることができます。しかしALTが家に帰って家族に会うとしたら、もちろん何日か休みを取らなくては不可能です。ですからALTにとって長期休暇は欠かせないのです。
ALTが故郷に帰ることは、「英語を話す環境に身を置く」ことも意味します。日本に長くいると英語が次第に「Japlish(日本語英語)」になってしまうので、それをリフレッシュする必要もあるのです。
もうひとつALTが不思議に感じているのは、仕事をしている時間が家で過ごす時間よりも大切だと考えられていることでしょうか。私の考えでは、一生懸命働くのは家族を支えるため。家族のために長い休みを取ることも、ときにはいいのではないかと思います。先生自身もリフレッシュされるので、仕事の能率も数段アップするはずです。
こんな習慣、「海外」にもあればいいのに……
わたしたちALTは、日本国内を旅行して名所を訪れるのも大好きなことです。しかし、一度でも旅行をすれば、日本の祝日などに旅行をするのはあまりいいことではないとすぐに気がつきます。ゴールデンウィークの数日前はガラガラだった所も、休みに入ったとたんに人ごみに変わって、小さな旗を持った人の後についてたくさんの人たちが所狭しと歩き回るようになります。これでは休みを有効に活用している、とはいえない気がします。
ほかの国にもあればいいのに、と思う日本の習慣もたくさんあることを忘れてはいけません。たとえばレストランで水やおしぼりが無料で提供されること。「海外」に出かけてALTが一番なつかしい! と思うことのひとつです。
男性の女性に対する態度は「?」
このような、日本での生活をある意味「興味深いもの」にしてくれるちょっとしたことはいろいろあります。しかし、ALTが本当に関心を持つことはもっとほかのことです。たとえば男性の女性に対する態度。これは欧米より遅れていると感じることが多々あります。男性のために、若い女性がお茶を出したり買い物に行かされたりすることも、ALTが居心地の悪さを感じることのひとつ。
特に一部の男性の先生! 宴会のときなどに女性にセクハラをしたり下品な言葉を投げかけたりするのをお酒のせいにしてはいけませんよ。「女性のALTが、セクハラをしようとした男性にパンチをお見舞い! それ以降、町中の人が彼女を尊敬するようになった」という話を聞いたことがありますが、そのときは胸のすく思いがしました(女性の先生も勇気を持って!)。
たとえば私たちに合ったデオドラントや、イギリスで売っているような超薄切りの食パンはどこに行けば手に入るかなど、私たちが日本にいて慣れなくてはいけないことは無数にあります。それは、皆さんには想像もつかないことばかりでしょう。しかしそんなことも、実はこの仕事の魅力でもあり、だからこと私たちは日本に来ることを選んだのです。ですから、日常生活のあれこれについてALTと会話をすることも、ひょっとしたら皆さん自信が日本の知らない部分を発見することにもなるかもしれませんよ!
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